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船橋中央クリニックの男性性器手術失敗
船橋中央クリニックは男性性器手術を失敗し、男性器を壊死させる医療事故を引き起こし、事故に遭った男性が船橋中央クリニックの院長・元神賢太を訴える裁判がありました。
増大手術でペニスが壊死したとして、50代男性が船橋中央クリニックを千葉地裁に提訴
男性器を増大させる手術を受けた50代男性が、手術の失敗によって排尿が困難になったなどとして、施術した船橋市の美容外科「船橋中央クリニック」の医師と運営法人に約2億4000万円の損害賠償を求めて千葉地裁に提訴した。2日に第1回口頭弁論があり、クリニック側は請求棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。
訴状によると、男性は2015年10月、男性器に「充填(じゅうてん)剤」を注入する手術を受けた。直後から先端が壊死(えし)し、組織を除去。男性器はごく一部しか残らなかった。原告側は、充填剤に壊死を引き起こすリスクがあったにもかかわらず説明がなく、手術にもミスがあったと主張。クリニック側は答弁書で「壊死は予見できなかった」などと反論した。
クリニックは取材に「過失はなかったと訴えていく」としている。男性の弁護士は同日記者会見し「今回の手術に限らず、美容外科手術ではリスクが十分に説明されていないケースが多いのではないか、という危機感がある。社会に警鐘を鳴らしたい」と話した。
毎日新聞 2018年2月3日掲載

多発する美容外科の事故
危険なリパス・リパスG
美容外科でペニスの増大に関する医療事故が多発していますが表に出てないのが現実です。
ホームページでは施術に関して安全性をうたっているんですが現実は違います。
特にリパス・リパスGは危険性も高く、安全性も保障されていません。
施術に使われる薬剤は海外製品で、厚生労働省が承認していないものが大半です。
ですので危険性があることを知りながら、患者に詳しい説明もすることもありません。
この裁判も数年前の事故です。
しかし、訴えられた元神医師も船橋中央クリニックは今現在もリパスやリパスGの安全性をうたいながら平然とこの患者と同じ執刀を続けています。
安全でなく危険なリパス・リパスGを使う元神賢太を決して許してはいけません!
同じ様な被害者が出ないためにも、ここに警鐘を鳴らします。

千葉地方裁判所で行われた裁判資料をここに公開します。
原本表紙 19.-2.-5# 0198
千葉地方裁判所
事件番号 平成29年(7)第2434号
事 件 名 損害賠償請求事件(医療)
原本番号 OR114001190000063
原告 ■■■■■
被告 医療法人社団セレス
同代表者理事長 元神賢太
(船橋中央クリニック院長)
受命裁判官 内田 博
当事者の表示
横浜市港北区■■■■■■■■■■
原告 ■■■■■■■■
同訴訟代理人弁護士 米山隆一
同 平田成彰
同訴訟復代理人弁護士 大門誉幸
千葉県船橋市本町大丁目4-15グラン大誠ビル2F
被告 医療法人社団セレス
同代表者理事長 元神賢太
東京都港区芝浦4丁目21-1-4906
被告 元神賢太
上記訴訟代理人弁護士 佐川未央
第8 回 弁 論 準 備 手 続 調 書
請求の原因
第1 当事者
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1原告
■■■■■■(昭和■■■■■■■■生。以下「原告」という、)は、平成27年10月27日に船橋中央クリニック(千葉県船橋市本町6-4-15。以下「本件クリニック」という。)において、陰茎の変形修正手術、陰茎リパス追加注入手術、亀頭部バイオアルカミド注入手術をうけたが、その結果亀頭の血流障害を生じて亀頭部分が壊死し、本件タリニックにおいて対処不能となったため、横浜市立市民病院に紹介されたが、最終的に亀頭が大きく変形·縮小し、日常の排尿に大きな困難をきたすにいたった者である。
2 被告
(1)医療法人社団セレス
医療法人社団セレス(千葉県船橋市本町六丁目4-15。以下「被告医療法人」という。)は、本件クリニックを運営する療法人社団である。)
(2)元神賢太
元神賢太(以下「被告元神医師」という。)は、被告医療法人の理事長であり、本件クリニックの院長として原告を診療した医師である。
第 2 前提となる医学的知見
1 亀頭増大術及び陰基増大術
亀頭及び陰茎の皮下に充填物(filler)を注射して行われる(甲 B1)。近年その失敗が問題となっている(甲B2)。
2 パフオーム(バイオアルカミド)
イタリアのPolymekon 社(Brindisi,Italy)が製造した、皮下充填物(filler)で、3%のポリアクリルアミドの水懸濁液からなる。顔面脂肪委縮、二キビ後の痕治療、漏斗胸、大殿筋萎縮、二キビ後の瘢痕治療などに使われる(甲B3。以下この充填物を「バイオアルカミド」という。)。
一方で、バイオアルカミドは使用の当初から重篤な感染と、皮下での移動による顔の変形など、数多くの副作用が指摘されている。このため、カナダでは使用できなくなっており、最初の製造元での製造は停止されている(甲B4)。カナダでは製造者に対する訴訟が準備されている(甲B5)。
3リパス
PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)と Dextran(短鎖澱粉)からなる filler(甲B6。以下この充填物を「リパス」という。)。バイオアルカミド同様、組織壊死などの重篤なものを含む副作用が報告されている(甲B7)。
4障害
味覚障害の原因・機序は必ずしも明らかでないが、様々な薬の長期使用によって引き起こされる可能性が公開されている。(甲B14.14頁).
第3 診療の経過
1. 既往歴
原告は、本件クリニックも受診した平成27年10月27日の本件クリニック初診時において、数年前に亀頭にバイオアルカミドであるパーフォーム、陰茎にリパスを注入したことがあり、同日の診療の時点で亀頭には従前の注入剤のために硬結があり、陰茎は、リパスの影響でかなり曲がっていたことが確認されている(甲A1·1頁)。
2診療の経過
(1) 本件クリニックにおける手術
被告元神医師は、平成27年10月27日に、陰茎の変形修正(皮膚切開によりリパスの一部除去)、陰茎へのリパスの追加注入(20cc)、バイオアルカミド(3cc)の亀頭注入の手術を行った(甲A1·8頁,9頁。以下「本件手術」という。)
バイオアルカミド(商品名 Perform)、リパス(商品名 LiPAS)に対しての一定の説明はなされ、その説明文書が手交されたが(甲A1·6頁,7頁)、組織壊死等の重篤な副作用の説明はなかった。
(2)本件クリニックによる後遺症の治療
ア 平成27年10月31日(甲A1·1頁,9頁)
中代氏(中代氏の資格は明らかでないが、記載中に「Dr.より」との記載が認められることから、看護師と考えられ以下「中代看護師」という。
イ 平成27年11月1日
中代看護師が診察し、ガス麻醉下で血液排出が行われ、抗炎症削軟膏、抗生剤軟膏による処置がなされた(甲A1·1頁、 9頁)。
ウ 平成27年11月2日(甲A1·9頁)
中代看護師が診察した。原告は、前日の痛みが強かったことを訴えた。ガス麻酔下で一部切開し、血液の排出がなされた。亀頭マッサ-ジがなされた。プロスタグランジン製剤軟膏による処置がなされた。
エ 平成27年11月3日(甲A1·10頁)
石橋氏(石橋氏の資格は明らかでないが、署名に「Ns.」というタイトルの記載があり、看護師と考えられる。以下「石橋看護師」という。石橋看護師も、診察、ガス麻酔、切開等医療的措置を行っていることがうかがわれる。) が、亀頭全体が暗紫色であることを確認した。亀頭のマッサ-ジ及びプロスタグランジン製剤軟膏による処置が行われた。
オ 平成27年11月4日(甲A1·11頁)
中代看護師が診察し、亀頭下部がほぼ黒色であることが確認された。亀頭マッサ-ジが行われ、アルロニダ-ゼ(7cc)を注射された。被告元神医師が診察し、「平塚市民病院血管外科、整形外科Dr.に相談」と記載した。
カ 平成27年11月6日
中代着獲師が診察し、ガス麻酔下で亀頭マッサ-ジを行い、ヒアルロニダ-ゼ(3cc)を注射、プロスタグランジン製剤軟膏による処置がなされた。
亀頭の色味が前日より改善しているとの記載がなされた。
キ 平成27年11月6日(甲A1·12頁)
原告は朝З時から痛みがあり、受診した。吉井氏(吉井氏の資格は明らかでないが、記裁中に「Dr.より」との記載が認められることから、看護師と考えられる。以下「吉井看護師」という。尚吉井看護師は、診察、ガス麻酔、切開、皮下注射等の医療的処置を行っていることがうかがわかる。ガス麻酔で亀頭マッサージを行い、ヒアルロニダ-ゼ(3cc)を注射した。
ク 平成27年11月7日(甲A1·13頁)
原告は、痛みが2 日前より少し楽になった旨述べた。市東氏(市東氏の資格は明らかでないが、中代看護師、吉井看護師との比較から、看護師と考えられる。以下「市東看護師」という。尚市東看護師は、診察、ガス麻酔、皮下注射、静脈注射、筋肉注射等の医療的処置を行っていることがうかがわれる。 ガス麻酔下で亀頭マッサージを行い(これは被告元神医師が行ったと記載されている。)ヒアルロニダーゼを皮下注射、パルクス(2ml)(甲B8。プロスタグランジン製剤であり血管拡張による血流増加作用を有する。)を静脈注射、陣痛剤であるゾセゴンを、筋肉注射した。
ケ 平成27年11月8日
原告は前日の頭痛が一番痛かったと訴えた。市東看護師が診察に当たり、ガス麻酔で亀頭マッサージを行い、(これは被告元神医師が行われたと記載されている)・ヒアルロニダ-ゼ(2cc)を皮下注射、パルクス(2ml)を静脈注射し、プロスタグランジン製剤軟膏による処置がなされた。
コ平成27年11月9日(甲A1·14頁)
亀頭部の色の変化なく、痛みに変化はなかった。市東看護師が診察し、ヒアルロニダーゼ(1cc)を皮下注射、パルクス(2ml)を静脈注射、ソセゴン 1A(甲B9。鎮痛剤である。)を筋肉注射し、プロスタグランジン軟膏で処置した。被告元神医師がガス麻酔下で亀頭マッサ-ジを行った。
サ 平成27年11月10日(甲A1·15頁)
口町氏(氏名の記載が読みづらく不正確な可能性がある。資格は不明だが看護師と思われる。以下「口町看護師」という。口町看護師は、診察、静脈注射、筋肉注射の医療的処置を行っていることがうかがわれる。)が、ガス麻酔下で診察し、パルクス(2ml)を静脈注射、ソセゴン 1Aを筋肉注射し、プロスタグランジン軟膏で処置した。
シ 平成27年11月11日(甲A1·14頁)
亀頭部の色に変化はなかった。中代看護師が、ガス麻酔下で診察し、パルクス(2ml)を静脈注射、ソセゴン 1Aを筋肉住射し、プロスタグランジン軟膏で処置した。陰茎部の抜糸した。
第4 被告らの不法行為
第1 被告元神医師の過失
(1) 説明義務達反の過失
ア 被告元神医師の宣伝および説明の過失
前提となる医学的知見で述べた通り、バイオアルカミド、リパスとも、平成27年10月27日の時点で、組織壊死等の重篤な合併症が報告されているものであった。一方で元神医師は、本件クリニックにおいてバイオアルカミドの注入による亀頭増大術(甲B11)、リパスの注入による陰茎の増大術(甲B12)を宣伝しているが、その宣伝には、メリットのみが記載されており、リスクの記載は一切ない。
イ 説明義務違反の過失
元神医師は、「手術や侵襲的な検査を行う場合には、その概要(執刀者及び助手の氏名を含む。)、危険性、実施しない場合の危険性及び合併症の有無」を「丁寧に説明しなければならない」(甲B13)義務が存するところ、被告元神医師は、原告に対し、バイオアルカミド、リパスの注入に伴う、組織壊死等の重篤な合併症を何ら説明しなかった。
また、事前に原告に手交された BIO-ALCAMID(バイオアルカミド)注入治療同意書(甲A1·7頁)、LiPAS(リパス) 注入治療同意書(甲A1·6頁)にも、注入効果が永続しない、内出血や化膿がある等のリスクは記載されているが、組織壊死等の重篤な合併症については一切記載されていなかった。
したがって、被告元神医師の、説明義務違反の過失(以下「本件説明義務違反の過失」という。) は明らかである。
(2)本件手術の過失
ア 手術の実施を決定した過失
上記の通り、本件手術は、そもそも組織壊死等の重篇な合併症を伴う可能性のあるものであった。更に、組織壊死等の重篤な合併症は動脈の閉塞で生じるところ(甲B7·308頁)、原告は本件手術前に亀頭にバイオアルカミド、陰茎にリパスを注入したことがあり(甲A1.1頁,5頁)、既に組織内の微小動脈が圧迫され、また予想されない場所に動脈があり、動脈の閉塞が起こりやすい状況であったことが予想される。
たとえ美容形成的な手術であり、患者の希望があったとしても手術を行うか否かを決定する責任は医師にある。本件手術は、本来、合併症を生じる危険から行われるべきものではなかったが、被告元神医師は、合併症の危険をなんら考慮せず、漫然とこれを行ったものであるから、その過失(以下「本件手術実施決定の過失」という。)は明らかである。
イ 手術手技上の過失
本件手術は、体内にバイオアルカミドという異物を注入するものであり、誤って動脈に注入してこれを閉塞した場合、その末梢の組織壊死を来してしまうものであるから、手術に当たる医師は、細心の注意をもってこれを行い、注入のたびにシリンジを引いて動脈血の逆流が無いかを確認するなどして、バイオアルカミドを動脈に注入していないことを確認する義務があるが、被告元神医師は漫然と、何ら確認することなく原告の亀頭にバイオアルカミドを注入し、これによって動脈を閉塞して組織壊死を来したものであるから、その過失(以下「本件手術手技上の過失」という。)は明らかである。
ウ 不適切な術後処置の過失
原告は、本件手術後最初の診察日である平成27年10月31日において、既に内出血、黒色変色、圧痛を認めていた。また被告元神医師自身が、壊死の可能性を指摘していた(甲 A1·9頁)。組織壊死は、一度生じてしまったら、これを元通りに復元することは不可能であり、その可能性に気がついいた段階で可及的速やかに動脈の血流を確保し、組織の壊死を防ぐ手段を講じる必要がある(甲B7·310頁,315頁Table S4)。
被告元神医師は、平成27年10月31日から同年11月18日の3週間にかけて、亀頭のマッサ-ジ、ヒアルロニタ ーゼの皮下注射、プロスタグランジンの静脈注射、プロスタグランジン軟膏の処置などを行っている。これらに多少の交果があることは否定しないが、全く十分なものではない(甲 B7·310頁,3 1 5頁 Table S4 参照)。被告元神医師は、組織壊死に対して、甲B7(310頁,315頁)記載の様々な緊急的、集中的処置が必要なことを知らず、単に比較的有名な代表的処置のみを、その効果が出ているかいないかも評価せず、漫然と行ったと考えられ、その過失(以下「本件不適切な術後措置の過失」という。)は明らかである。
1 外部医療機関への紹介が遅延した過失
被告元神医師は、平成27年10月31日には壊死の可能性に気がつき(甲A1·9頁)、平成27年11月4日には平塚市民病院の血管外科·形成外科の医師に照会。横浜市立市民病院への紹介がなされたのは、平成27年11月18日になってからである。この間、被告元神医師による原告の治療を行っていたことは否定しないが、その治療は全く不十分なものであり、かつ成功していなかった。被告元神医師は、遲くとも、組織壊死という重篇な合併症が進行し、かつ自らの手には負えないと分かった平成27年11月4日には、他の専門医療機関に原告を紹介して適切な洽療を求めるべき義務があったが、漫然とこれを怠り、平成27年11月18日まで何ら効果のない治療を続けたものであるから、その過失(以下「本件外部医療機関紹介遅延の過失」という。)は明らかである。
2 結果
本件説明義務違反の過失、本件手術実施決定の過失、本件手術手技上の過失、本件不適切な術後措置の過失及び本件外部医療機関紹介遅延の過失の結果、原告は、亀頭の部分壊死を来し、亀頭は大きく変形・縮小し、尿線は上方に曲がって日常の排尿に大きな困難をきたす状態となった。今後の治療は困難とのことである。
また、本件説明義務違反の過失、本件手術実施決定の過失、本件手術手技上の過失、本件不適切な術後措置の過失及び本件外部医療機関紹介遅延の過失の結果、原告は過剩な回数のガス麻酔を施され、本件嗅覚障害を生じたものである。
3 因果関係
本件説明義務違反の過失がなく、組織壊死等の重篤な合併症の危険性が脱明されていれば、原告は本件手術を行わなかった。従って、本件説明義務違反の過失と、本件亀頭変形に因果関係があるとは明らかである。
本件手術実施決定の過失がなければ、そもそも組織壊死は発生せず、本件亀頭変形は生じなかった。従って、本件手術実施決定の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件手術手技上の過失がなければ、組織壊死は発生せず、本件亀頭変形は生じなかった。従って、本件手術手技上の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件不適切な術後措置の過失がなく、適切な術後措置がなさオていれば、亀頭壊死が始まっていたとしても、より小さい範囲にとどめ、本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることができた可能性は高い。従って、本件不適切な術後措置の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件外部医療機関紹介遅延の過失がなく、迅速に適切な治療が行える外部医療機関への紹介がなされていれば、亀頭壊死が始まっていたとしても、適切な治療により、壊死をより小さい範囲にとどめ、本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることができた可能性は高い。従って、本件外部医療機関紹介遅延の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
これら過失は、いずれの一つがなくても、本件亀頭変形の結果を回避できたものであり、並立する。
同様に、本件説明義務違反の過失、本件手術実施決定の過失、本件手術手技上の過失及び本件不適切な術後措置の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件不適切な術後措置の過失がなく、適切な術後措置かなきれでいれば、亀頭壊死始まっていたとしても、より小きい範用によどめ、本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響かないい状態にとどめることかできた可能性は高い。従って、本件不適切な術後措置の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件外部医療機関紹介遅延の過失がなく、迅連に適切な治療かが行える外部医療機関への紹介がなされていれば、亀頭壊死か始まっていたとしても、適切な治療により、壊死をより小さい範囲にとどめ、本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることができた可能性は高い。従って、本件外部医療機関紹介遅延の過失と、本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
これら過失は、いずれの一つがなくても、本件亀頭変形の結果を回避できたものであり、並立する。
同様に、本件説明義務違反の過失、本件手術実施決定の過失、本術手技上の過失等がなければ、原告は過剩な回数のガス麻酔を受けること住なく、本件嗅覚障害を生じることはなかったものであるから、これら不法行為 過失と本件嗅覚障害の間に因果関係が存することは明らかである。
上記のとおり、被告元神医師の過失によって、原告の本件亀頭交形及び本件嗅党障害の結果を生じたものであるから、被告元神医師の過失は不法行為を構成するものである(民法709条)。
第5 被告医療法人の不法行為(使用者責任)
被告医療法人は、被告クリニックの開設者であり、その業務に関して、被告元神医師を使用していたのであるから、被告医療法人は、被告元神医師に対して、指揮監督義務があったことは明らかである。
また、被告元神医師による原告の身体に対する侵害行為は、被告医療法人の事業執行についてなされたものである。
よって、被告医療法人は、原告に対して、被告元神医師の不法行為にて、使用者責任(民法715条)を負う。
第6 治療費等
被告が支出した治療費·交通費は以下の通りである。
(1)本件クリニック治療費
156万6000円(甲C1)
交通費2万1822円
合計158万7822円
(2)横浜市立市民病院
ア 治療費
5万0840円(甲C3)
イ 交通費
5760円(甲C4)ウ
合計
5万6600円
(3)医療法人社団ゆうあい会 ゆうあいクリニック
ア 治療費
6220円(甲C5)
(4)さいだ耳鼻咽喉科気管食道科クリニック
ア 治療費
1万5850円(甲C6)
(5)さくら薬局 横浜大倉山店
ア 薬剤費
2万9600円(甲C7)
(6)合計
(1)ないし(5)の合計は169万6092円である。
2 逸失利益
本件亀頭変形は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(日本弁連交通事故センタ- 東京支部。以下「赤い本」という。)
後遺障害等級9級17号「生殖器に著しい障害を残すもの」として評価されるものであ。
ア 基礎收入
6040万0000円(甲C8)
イ 労働能力喪失
後遣障害等級9級17号
35%
(生殖器に著しい障害を残すもの)
ウ 労働能力喪失期間
(ア)症状固定日 55歳
(イ)55歳の平均余命(平成26年男性簡易生命表)
27.68年
(ウ)(イ)の2分の1 13.84年
(エ) ライプニッツ係数 9.8986
計算
6040万円×0.35×9.8986=2億925万6404円
3 慰謝料
本件亀頭変形によって、原告が受けた精神的損害は極めて甚大であり、その額は、以下の通り、748万0000円を下らない。
(1)入通院慰謝料
原告は、本件手術により、平成27年10月27日から平成28年1月5日の71日間、本件クリニック及び横浜市立市民病院への通院を余儀なくされたものであるから、入通院慰謝料としては、58万0000円が相当である。
2)後遺障害慰謝料
障害を残すものとして評西きれるものてあるから、
障害慰謝料として690万0000内が相当である。
(3)合計
(1)および(2)の合計は748万0000円が相当である。
4 弁護士費用
上記1ないし3の合計は2億1843万2496円であるから、
弁護士費用としてはその1割である2184万3249円が相当である。
5 合計
上記1ないし4の合計は2億4027万5745円である。
第7 結語
よって、原告は、①被告医療法人に対し、不法行為(民法715条)よる損害賠償請求権に基づき、金2億4027万5745円及びこれに対する平成27年10月27日から支払済みまで民法所定の年5分割合による遅延損害金の支払を、②被告元神医師に対し、不法行為(民法709条による損害賠償請求権に基づき、金2億4027万5745円及びこれに対する平成27年10月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、本訴に及ぶ。
美容外科の闇
前回、美容外科によるペニスの増大。
効果ばかり謳って、危険性の説明をしない薬剤”自分の性器に薬物を注入する”ということは、よくよく考えればとっても怖いことではないでしょうか?
今回の訴訟の件では「リパス」や「バイオアルカミド」薬剤が使われています。特にイタリアで開発された薬剤「バイオアルカミド」はが使われていますが、製造元であるイタリアをはじめ、導入した国々で副作用が報告されています。
顔に腫瘍が出来て除去しても酷い跡が残ったという例もある
今回の裁判で被告である医療法人社団セレスの元神賢太氏はこのバイオアルカミドを使用しています。
裁判記録では「一定の説明はなされ、その説明文書が手交されたが、組織壊死等の重篤な副作用の説明はなかった」とあります。
海外では数多くの副作用の報告があっていることからも、医療に携わる元神被告がその危険性を知らなかったはずはありません。
仮にその事実を知っていながらその行為に及んだとすれば、医師としての倫理観に甚だ疑問があります。
また、「リパス」についても安全性を謳っていますが日本に導入されてまだ日が浅く、症例数も世界で2000件程度であることからも、この先どんな副作用が発生するかは未知数です。
現在、元神被告が運営する船橋中央クリニック(青山セレスクリニック)では独自の「LIPAS-G」なる薬剤を新たに導入し、ペニス増大への宣伝を高らかに歌っていますが、果たして絶対に”安全”だといえるのでしょうか?

注意事項にはリパスによる今回の裁判記録に書かれているような危険性は一切記載されていない。また、実際の症例数も少ない為、今後どのような副作用が起こるかは未知数である。

顔に腫瘍が出来て除去しても酷い跡が残ったという例もある

術後に悩みを持つ人も
出展「AskDoctors」より

リパスの広告10㏄400,000円とあるが、裁判記録では150万以上の費用がかかている。また、「永久的」とも書かれているがその根拠は一切ない。
最後に元神被告のプロフィール欄には『最高の技術と責任をもって1人1人の患者様を大切に、そして安心して治療を受けていただきたい』とあります。もしそれが本当ならば、医師を志した時の初心に返っていただき、今回の被害者と真摯に向き合ってほしいものである。


船橋中央クリニックの元神賢太氏・フェアクリニックの理事長・柴田 健了氏、カウンセラー・萩原 靖洋氏、彼らの言葉が本当のことなら、同じような被害者を出さないためにも、医師としての本分を全うしてほしい。
裁判の顛末
今回の裁判についての顛末は被告・元神賢太が2000万円を支払うことで原告との和解が成立しました。
もし、本当にリパスが安全と言うのであれば被告・元神賢太は和解などしないはずです。
これは、リパスが危険なものであると認めたに等しいことではないでしょうか?
裁判が長引けば長引くほど、元神賢太はリパスの危険性が明らかになり多くの人たちに知られるのを恐れたのかもしれません。
和解が成立したことで、リパスの危険性は闇に葬られ、今も平然と危険極まりない医療行為を元神賢太は行っています。
今回、裁判が起こったことで、リパスの危険性が明るみになりかけましたが、時間と共に風化し忘れ去られようとしています。
弱みに付け込んで食い物にする悪徳医師・元神賢太を決して許してはなりません。
もし元神医師が運営している3つの病院に同じような事故や後遺症等起こした方がいたら、証拠を持ってぜひ連絡ください。報酬をお支払い致します(最大で500,000円)。
千葉地方裁判所で行われた裁判資料をここに公開します。
原本表紙 19.-2.-5# 0198
千葉地方裁判所
事件番号 平成29年(7)第2434号
事 件 名 損害賠償請求事件(医療)
原本番号 OR114001190000063
原本種類 和解
原告 ■■■■■■■■■■
被告 医療法人社団セレス
同代表者理事長 元神賢太
受命裁判官 内田 博
受命裁判官認印
第8 回 弁 論 準 備 手 続 調 書 (和解)
事件の表示 平成29年(7)第2434号
期 日 平成31年1月10日午後2時00分
場 所 等 千葉地方裁判所民事第2部準備手続室
受命裁判官 内田 博
裁判所書記官 竹 内 康高
出頭した当事者等 原告代理人 米山隆一
被告ら代理人 佐川未央
当事者の陳述等
当事者間に次のとおり和解成立
第1 当事者の表示
横浜市■■■■■■■■■■■■■■
原告 ■■■■■■■■■■■■
同訴訟代理人弁護士 米山隆一
同 平田成彰
同訴訟復代理人弁護士 大門誉幸
千葉県船橋市本町大丁目4-15グラン大誠ビル2F
被告 医療法人社団セレス
同代表者理事長 元神賢太
東京都港区芝浦4-21-1-4906
被告 元神賢太
上記訴訟代理人弁護士 佐川未央
第2 請求の表示
請求の趣旨及ひ原因は訴状訂正申立書(平成29年11月29日付け)
及で訴状訂正申立書(平成30年2月8日付け)各記載のとおり。
第 3 和解条項
1 被告らは,原告に対し、連帯して,本件解決金として2000万円の支払義務があることを認める。
2 被告らは,原告に対し,連帯して,前項の金員を平成31年2月8日限り原告が指定する「ベンゴシホウジンオオタカソウゴウホウリツジムショアカリグチ」名義のみずほ銀行新橘支店普通預金口座(口座番号:2674019)に振込送金する方法により支払う。なお,振込手数料は被告らの負担とする。
3 原告と被告らは本件及び本件和解に関する内容について,本日以後,正当な理由なく,インターネットへの書き込み・掲載,口頭による流布(マスコミ関係者への情報提供や取材への対応を含む。),電子メールその他の方法の如何を問わず,第三者に口外しないことを約束する。
4 原告及び被告らは,本件和解成立によって本件に関しては全て解決したことを確認する。
5 原告はその余の請求を放棄する。
6 原告及び被告らは,原告と被告らとの間には,本和解条項に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。
7 訴訟費用は各自の負担とする。
裁判所書記官 竹 内 康 高
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請求の原因
第1 当事者
1原告
■■■■■(昭和■■年■■月■■日生。以下「原告」という、)は、平成27年10月27日に船橋中央クリニック(千葉県船橋市本町6-4-15。以下「本件クリニック」という。)において、陰茎の変形修正手術,陰茎リパス追加注入手術,亀頭部バイオアルカミド注入手術をうけたが、その結果亀頭の血流障害を生じて亀頭部分が壊死し,本件クリニックにおいて対処不能となったため、横浜市立市民病院に紹介されたが,最終的に亀頭が大きく変形・縮小し,日常の排尿に大きな困難をきたすにいたった者である。
2 被告
(1)医療法人社団セレス
医療法人社団セレス(千葉県船橋市本町六丁目4-15。以下「被告医療法人」という。)は,本件クリニックを運営する療法人社団である。)
(2)元神賢太
元神賢太(以下「被告元神医師」という。)は,被告医療法人の理事長であり、本件クリニックの院長として原告を診療した医師である。
第 2 前提となる医学的知見
1 亀頭増大術及び陰茎増大術
亀頭及び陰茎の皮下に充填物(filler)を注射して行われる(甲 B1)。近年その失敗が問題となっている(甲B2)。
2 パフオーム(バイオアルカミド)
イタリアのPolymekon 社(Brindisi,Italy)が製造した,皮下充填物(filler)で,3%のポリアクリルアミドの水懸濁液からなる。顔面脂肪委縮,ニキビ後の痕治療,漏斗胸,大殿筋萎縮,ニキビ後の瘢痕治療などに使われる(甲B3。以下この充填物を「バイオアルカミド」という。)。
一方で,バイオアルカミドは使用の当初から重篤な感染と,皮下での移動による顔の変形など,数多くの副作用が指摘されている。このため,カナダでは使用できなくなっており,最初の製造元での製造は停止されている(甲B4)。カナダでは製造者に対する訴訟が準備されている(甲B5)。
3リパス
PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)と Dextran(短鎖澱粉)からなる filler(甲B6。以下この充填物を「リパス」という。)。バイオアルカミド同様,組織壊死などの重篤なものを含む複数作用が報告されている(甲B7)。
4障害
味覚障害の原因・機序は必ずしも明らかでないが,様々な薬の長期使用によって引き起こされる可能性が公開されている。(甲B14・14頁)。
第3 診療の経過
1. 既往歴
原告は,本件クリニックも受診した平成27年10月27日の本件クリニック初診時において,数年前に亀頭にバイオアルカミドであるパーフォーム,陰茎にリパスを注入したことがあり,同日の診療の時点で亀頭には従前の注入剤のために硬結があり,陰茎は,リパスの影響でかなり曲がっていたことが確認されている(甲A1・1頁)。
2診療の経過
(1) 本件クリニックにおける手術
被告元神医師は,平成27年10月27日に,陰茎の変形修正(皮膚切開によりリパスの一部除去),陰茎へのリパスの追加注入(20cc),バイオアルカミド(3cc)の亀頭注入の手術を行った(甲A1・8頁,9頁。以下「本件手術」という。)
バイオアルカミド(商品名 Perform),リパス(商品名 LiPAS)に対しての一定の説明はなされ,その説明文書が手交されたが(甲A1・6頁,7頁),組織壊死等の重篤な副作用の説明はなかった。
(2)本件クリニックによる後遺症の治療
ア 平成27年10月31日(甲A1・1頁,9頁)
中代氏(中代氏の資格は明らかでないが,記載中に「Dr.より」との記載が認められることから,看護師と考えられ以下「中代看護師」という。
イ 平成27年11月1日
中代看護師が診察察し,ガス麻醉下で血液排出が行われ,抗炎症削軟膏,抗生剤軟膏による処置がなされた(甲A1・1頁、 9頁)。
ウ 平成27年11月2日(甲A1・9頁)
中代看護師が診察した。原告は,前日の痛みが強かったことを訴えた。ガス麻酔下で一部切開し,血液の排出がなされた。亀頭マッサージがなされた。プロスタグランジン製剤軟膏による処置がなされた。
工 平成27年11月3日(甲A1・10頁)
石橋氏(石橋氏の資格は明らかでないが,署名に「Ns.」というタイトルの記載があり,看護師と考えられる。以下「石橋看護師」という。石橋看護師も,診察,ガス麻酔,切開等
医療的措置を行っていることがうかがわれる。) が,亀頭全体が暗紫色であることを確認した。亀頭のマッサージ及びプロスタグランジン製剤軟膏による処置が行われた。
オ 平成27年11月4日(甲A1・11頁)
中代看護師が診察し,亀頭下部がほぼ黒色であることが確認された。亀頭マッサージが行われ、アルロニダーゼ(7cc)を注射された。被告元神医師が診察し、「平塚市民病院血管外科、整形外科Dr.に相談」と記載した。
カ 平成27年11月6日
中代着獲師が診察し,ガス麻酔下で亀頭マッサージを行い.ヒアルロニダーゼ(3cc)を注射,プロスタグランジン製剤軟膏による処置がなされた。
亀頭の色味が前日より改善しているとの記載がなされた。
キ 平成27年11月6日(甲A1・12頁)
原告は朝3時から痛みがあり,受診した。吉井氏(吉井氏の資格は明らかでないが,記載中に「Dr.より」との記載が認められることから,看護師と考えられる。以下「吉井看護師」という。尚吉井看護師は,診察,ガス麻酔,切開,皮下注等の医療的処置を行っていることがうかがわれる。ガス麻酔下で亀頭マッサージを行い,ヒアルロニダーゼ(3cc)を注射した。
ク 平成27年11月7日(甲A1・13頁)
原告は,痛みが2 日前より少し楽になった旨を述べた。市東氏(市東氏の資格は明らかでないが,中代看護師,吉井看護師との比較から,看護師と考えられる。以下「市東看護師」という。尚市東看護師は,診察,ガス麻酔,皮下注射,静脈注射,筋肉注射等の医療的処置を行っていることがうかがわれる。 ガス麻酔下で亀頭マッサージを行い(これは被告元神医師が行ったと記載されている。)ヒアルロニダーゼを皮下注射,パルクス(2ml)(甲B8。プロスタグランジン製剤であり血管拡張による血流増加作用を有する。)を
静脈注射,陣痛剤であるゾセゴンを、筋肉注射した。
ケ 平成27年11月8日
原告は前日の頭痛が一番痛かったと訴えた。市東看護師が診察に当たり、ガス麻酔で亀頭マッサージを行い、(これは被告元神医師が行われたと記載されている。)ヒアルロニダーゼ(2cc)を皮下注射,パルクス(2ml)を静脈注射し,プロスタグランジン製剤軟膏による処置がなされた。
コ平成27年11月9日(甲A1・14頁)
亀頭部の色の変化なく,痛みに変化はなかった。市東看護師が診察し,ヒアルロニダーゼ(1cc)を皮下注射,パルクス(2ml)を静脈注射,ソセゴン 1A(甲B9。鎮痛剤である。)を筋肉注射し,プロスタグランジン軟膏で処置した。被告元神医師がガス麻酔下で亀頭マッサージを行った。
サ 平成27年11月10日(甲A1・15頁)
口町氏(氏名の記載が読みづらく不正確な可能性がある。資格は不明だが看護師と思われる。以下「口町看護師」という。口町看護師は,診察,静脈注射,筋肉注射の医療的処置を行っていることがうかがわれる。)が,ガス麻酔下で診察し,パルクス(2ml)を静脈注射,ソセゴン 1Aを筋肉注射し,プロスタグランジン軟膏で処置した。
シ 平成27年11月11日(甲A1・14頁)
亀頭部の色に変化はなかった。中代看護師が,ガス麻酔下で診察し,パルクス(2ml)を静脈注射,ソセゴン 1Aを筋肉住射し,プロスタグランジン軟膏で処置した。陰茎部の抜糸をした。
第4 被告らの不法行為
第1 被告元神医師の過失
(1) 説明義務達反の過失
ア 被告元神医師の宣伝および説明の過失
前提となる医学的知見で述べた通り,バイオアルカミド,リパスとも,平成27年10月27日の時点で,組織壊死等の重篤な合併症が報告されているものであった。一方で元神医師は,本件クリニックにおいてバイオアルカミドの注入による亀頭増大術(甲B11),リパスの注入による陰茎の増大術(甲B12)を宣伝しているが,その宣伝には,メリットのみが記載されており,リスクの記載は一切ない。
イ 説明義務違反の過失
医師は,「手術や侵襲的な検査を行う場合には,その概要(執刀者及び助手の氏名を含む。),危険性,実施しない場合の危険性及び合併症の有無」を「丁寧に説明しなければならない」(甲B13)義務が存するところ,被告元神医師は,原告に対し,バイオアルカミド,リパスの注入に伴う,組織壊死等の重篤な合併症を何ら説明しなかった。
また,事前に原告に手交された BIO-ALCAMID(バイオアルカミド)注入治療同意書(甲A1・7頁),LiPAS 注入治療同意書(甲A1・6頁)にも,注入効果が永続しない,内出血や化膿がある等のリスクは記載されているが,組織壊死等の重篤な合併症については一切記載されていなかった。
したがって,被告元神医師の,説明義務違反の過失(以下「本件説明義務違反の過失」という。) は明らかである。
(2)本件手術の過失
ア 手術の実施を決定した過失
上記の通り,本件手術は,そもそも組織壊死等の重篇な合併症を伴う可能性のあるものであった。更に,組織壊死等の重篤な合併症は動脈の閉塞で生じるところ(甲B7・308頁),原告は本件手術前に亀頭にバイオアルカミド,陰茎にリパ
スを注入したことがあり(甲A1.1頁,5頁),既に組織内の微小動脈が圧迫され,また予想されない場所に動脈があり,動脈の閉塞が起こりやすい状況であったことが予想される。
たとえ美容形成的な手術であり,患者の希望があったとしても手術を行うか否かを決定する責任は医師にある。本件手術は,本来,合併症を生じる危険から行われるべきものではなかったが,被告元神医師は,合併症の危険をなんら考慮せず,漫然とこれを行ったものであるから,その過失(以下「本件手術実施決定の過失」という。)は明らかである。
イ 手術手技上の過失
本件手術は,体内にバイオアルカミドという異物を注入するものであり,誤って動脈に注入してこれを閉塞した場合,その末梢の組織壊死を来してしまうものであるから,手術に
当たる医師は,細心の注意をもってこれを行い,注入のたびにシリンジを引いて動脈血の逆流が無いかを確認するなどして,バイオアルカミドを動脈に注入していないことを確認
する義務があるが,被告元神医師は漫然と,何ら確認することなく原告の亀頭にバイオアルカミドを注入し,これによって動脈を閉塞して組織壊死を来したものであるから,その過失(以下「本件手術手技上の過失」という。)は明らかである。
ウ 不適切な術後処置の過失
原告は,本件手術後最初の診察日である平成27年10月31日において,既に内出血,黒色変色,圧痛を認めていた。また被告元神医師自身が,壊死の可能性を指摘していた(甲 A1・9頁)。組織壊死は,一度生じてしまったら,これを元通りに復元することは不可能であり,その可能性に気がついいた段階で可及的速やかに動脈の血流を確保し,組織の壊死を防ぐ手段を講じる必要がある(甲B7・310頁,315頁Table S4)。
被告元神医師は,平成27年10月31日から同年11月18日の3週間にかけて,亀頭のマッサージ,ヒアルロニターゼの皮下注射,プロスタグランジンの静脈注射,プロスタグランジン軟膏の処置などを行っている。これらに多少の効果があることは否定しないが,全く十分なものではない(甲 B7・310頁,3 1 5頁 Table S4 参照)。被告元神医師は,組織壊死に対して,甲B7(310頁,315頁)記載の様々な緊急的,集中的処置が必要なことを知らず,単に比較的有名な代表的処置のみを,その効果が出ているかいないかも評価せず,漫然と行ったと考えられ,その過失(以下「本件不適切な術後措置の過失」という。)は明らかである。
エ 外部医療機関への紹介が遅延した過失
被告元神医師は,平成27年10月31日には壊死の可能性に気がつき(甲A1・9頁),平成27年11月4日には平塚市民病院の血管外科・形成外科の医師に照会する必要性を了承された。(甲A1・11頁)。原告に横浜市立市民病院への紹介がなされたのは、平成27年11月18日になってからである。この間,被告元神医よる原告の治療を行っていたことは否定しないが,その治療は全く不十分なものであり,かつ成功していなかった(甲A1・9頁ないし21頁)。被告元神医師は,遅くとも,組織壊死という重篇な合併症が進行し、かつ自らの手には負えないと分かった平成27年11月4日には,他の専門医療機関に原告を紹介して適切な洽療を求めるべき義務があったが,漫然とこれを怠り,平成27年11月18日まで何ら効果のない治療を続けたものであるから,その過失(以下「本件外部医療機関紹介遅延の過失」という。)は明らかである。
2 結果
本件説明義務違反の過失,本件手術実施決定の過失,本件手術手技上の過失,本件不適切な術後措置の過失及び本件外部医療機関紹介遅延の過失の結果, 原告は,亀頭の部分壊死を来し,亀頭は大きく変形・縮小し,尿線は上方に曲がって日常の排尿に大きな困難をきたす状態(以下「本件亀頭変形」という。)となった。今後の治療は困難とのことである(甲A2・4頁,5頁,10頁)。また,本件説明義務違反の過失, 本件手術実施決定の過失,本件手術手技上の過失,本件不適切な術後措置の過失及び本件外部医療機関紹介遅延の過失の結果,原告は過剰な回数のガス麻酔を施され,本件嗅覚障害を生じたものである。
3 因果関係
本件説明義務違反の過失がなく,組織壊死等の重篤な合併症の危険性が脱明されていれば,原告は本件手術を行わなかった。従って,本件説明義務違反の過失と,本件亀頭変形に因果関係があるとは明らかである。
本件手術実施決定の過失がなければ,そもそも組織壊死は発生せず,本件亀頭変形は生じなかった。従って,本件手術実施決定の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件手術手技上の過失がなければ,組織壊死は発生せず,本件亀頭変形は生じなかった。従って,本件手術手技上の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件不適切な術後措置の過失がなく,適切な術後措置がなされていれば,亀頭壊死が始まっていたとしても,より小さい範囲にとどめ,本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることができた可能性は高い。従って,本件不適切な術後措置の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件外部医療機関紹介遅延の過失がなく,迅速に適切な治療が行える外部医療機関への紹介がなされていれば,亀頭壊死が始まっていたとしても,適切な治療により,壊死をより小さい範囲にとどめ,本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることができた可能性は高い。従って,本件外部医療機関紹介遅延の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
これら過失は,いずれの一つがなくても,本件亀頭変形の結果を回避できたものであり,並立する。
同様に,本件説明義務違反の過失,本件手術実施決定の過失,本件手術手技上の過失及び本件不適切な術後措置の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件不適切な術後措置の過失がなく,適切な術後措置ができていれば,亀頭壊死が始まっていたとしても,より小さな範用にとどめ、本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることかできた可能性は高い。従って,本件不適切な術後措置の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
本件外部医療機関紹介遅延の過失がなく,迅速に適切な治療が行える外部医療機関への紹介がなされていれば,亀頭壊死か始まっていたとしても,適切な治療により,壊死をより小さい範囲にとどめ,本件亀頭変形を尿線が変わる等の機能に大きな影響がない状態にとどめることができた可能性は高い。従って,本件外部医療機関紹介遅延の過失と,本件亀頭変形に因果関係があることは明らかである。
これら過失は,いずれの一つがなくても,本件亀頭変形の結果を回避できたものであり,並立する。
同様に,本件説明義務違反の過失,本件手術実施決定の過失,本術手技上の過失等がなければ,原告は過剰な回数のガス麻酔まで受けることはなく,本件嗅覚障害を生じることはなかったものであるから,これら不法行為の過失と本件嗅覚障害の間に因果関係が存在することは明らかである。
上記のとおり,被告元神医師の過失によって,原告の本件亀頭交形及び本件嗅党障害の結果を生じたものであるから,被告元神医師の過失は不法行為を構成するものである(民法709条)。
第5 被告医療法人の不法行為(使用者責任)
被告医療法人は,被告クリニックの開設者であり,その業務に関して,被告元神医師を使用していたのであるから,被告医療法人は,被告元神医師に対して,指揮監督義務があったことは明らかである。
また,被告元神医師による原告の身体に対する侵害行為は,被告医療法人の事業執行についてなされたものである。
よって,被告医療法人は,原告に対して,被告元神医師の不法行為にて,使用者責任(民法715条)を負う。
第6 治療費等
被告が支出した治療費・交通費は以下の通りである。
(1)本件クリニック治療費
156万6000円(甲C1)
交通費2万1822円
合計158万7822円
(2)横浜市立市民病院
ア 治療費
5万0840円(甲C3)
イ 交通費
5760円(甲C4)ウ
合計
5万6600円
(3)医療法人社団ゆうあい会 ゆうあいクリニック
ア 治療費
6220円(甲C5)
(4)さいだ耳鼻咽喉科気管食道科クリニック
ア 治療費
1万5850円(甲C6)
(5)さくら薬局 横浜大倉山店
ア 薬剤費
2万9600円(甲C7)
(6)合計
(1)ないし(5)の合計は169万6092円である。
2 逸失利益
本件亀頭変形は,「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(日本弁連交通事故センター 東京支部。以下「赤い本」という。)
後遺障害等級9級17号「生殖器に著しい障害を残すもの」として評価されるものである。
ア 基礎収入
6040万0000円(甲C8)
イ 労働能力喪失
後遺症害等級9級17号
35%
(生殖器に著しい障害を残すもの)
ウ 労働能力喪失期間
(ア)症状固定日 55歳
(イ)55歳の平均余命(平成26年男性簡易生命表)
27.68年
(ウ)(イ)の2分の1 13.84年
(エ) ライプニッツ係数 9.8986
計算6040万円x0.35×9.8986=2億925万6404円
3 慰謝料
本件亀頭変形によって,原告が受けた精神的損害は極めて甚大であり,その額は,以下の通り,748万0000円を下らない。
(1)入通院慰謝料
原告は,本件手術により,平成27年10月27日から平成28年1月5日の71日間,本件クリニック及び横浜市立市民病院への通院を余儀なくされたものであるから,入通院慰謝料としては,58万0000円が相当である。
2)後遺障害慰謝料
障害を残すものとして評価されるものであるから,
障害慰謝料として690万0000内が相当である。
(3)合計
(1)および(2)の合計は748万0000円が相当である。
4 弁護士費用
上記1ないし3の合計は2億1843万2496円であるから,
弁護士費用としてはその1割である2184万3249円が相当である。
5 合計
上記1ないし4の合計は2億4027万5745円である。
第7 結語
よって,原告は,①被告医療法人に対し,不法行為(民法715条)よる損害賠償請求権に基づき,金2億4027万5745円及びこれに対する平成27年10月27日から支払済みまで民法所定の年5分割合による遅延損害金の支払を,②被告元神医師に対し,不法行為(民法709条による損害賠償請求権に基づき,金2億4027万5745円及びこれに対する平成27年10月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,本訴に及ぶ。
元神医師が運営するクリニック一覧
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元神チャンネルには200,000人以上の登録者数がいて、多くの方が知らないうちに彼の言葉を信じ、注射や手術を行っていると思います。
彼は医者という身分を使い、もしかしたらさらに多くの方に後悔や後遺症を残させていたかもしれません。
勿論裁判の経験からきっと契約書には患者さん自己責任であると責任を免れているでしょうね!契約する前には必ず慎重になってほしいことを再度呼び掛けたいです。